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日本,米国に貯蔵核物質の管理を任せる

日本,米国に貯蔵核物質の管理を任せる

執筆者(発信地)

マイケル・シアー記者(ハーグ発),デイビッド・サンガー記者(ワシントンDC発)

 日米政府関係者によると,日本は24日に,兵器級プルトニウム700ポンド以上及び大量の高濃縮ウランを米政府に引き渡すと発表する。この発表は,世界で最も危険な物質の保全に向けたオバマ大統領の過去5年間の取り組みにとって最大の成功である。日本がこれらの核物質の移転に合意したことは,実質的にも政治的にも重要である。中国は先月,日本の核物質保有を公に非難し,日本の政府が右傾化する中で独自の核兵器保有をもたらす懸念があると述べた。一方,日本の右派政治家らは,これらの核燃料が抑止として機能すると主張してきた。今回,日本が米国に引き渡す核燃料は日本が保有する核物質のごく一部に過ぎない。日本は合計9トン以上のプルトニウムを保有し,今秋には,年に何トンもの核燃料を製造可能な新たな核燃料工場の稼動を始める予定だ。同工場で製造される燃料の核兵器転用は,今回米国に返還されるものよりはるかに困難だが,米政府は保護措置の不備を主張して,この燃料工場計画を中止するよう静かに圧力をかけてきた。